腐女子な漫画家に溺愛されチュウ!?
あと、2分ぐらい。
これぐらいぶっ放せば、間に合うだろう。
「…ほたるっ!!!」
俺は自転車を漕いでいるせいか、自然と声は大きくなり、荒くなる。
ほたるはやんわりと返事した。
「あの男…誰だ!!!」
そう言ったら、ほたるの音痴なサライの歌声が、止まる。
「…いぶちゃんの事か??」
あぁ、もう!!!
「多分、ソイツ!!!」
どこまで、俺は…ッ!!!!
「…どうして??」
ほたるの事が、好きなんだ!!!!!
「どうしてってなぁ、あんなに仲良さそうにしてるンだ!!!しかも俺が知らないほたるの事も知ってるっぽいし!!!!…それが、ムカつくンだよ!!!!」
風が俺達を驚いてよける中、ほたるは聞こえるかわからない声で、
「馬鹿だな」
ふっ、と笑ったのが聞こえて。
カチン、ときた。
「何が馬鹿なんだよっ!!!!こっちはお前が好きだからなぁッ!!!怒ってんだよ!!!ほたるは、俺の事好きじゃねぇのか!!!???」
全部、ぶちまけてやる。
大声でかなりの事叫んでいるが、恥ずかしくなんかねェ。
嘘なんか、一言も言ってねェ。
好きなんだ。
どうしようもないくらいに好きなんだ。
もう言葉なんかで、表せられねェ。
もうちょっとましに国語の授業を受けてたらこの気持ちを表す言葉が、見つかったのか??
ごめんな、ほたる。
こんな、言葉で。
ごめんな、ほたる。
こんな、俺で。
「だから馬鹿だ、善弥は。あれは最新型ロボットの、『イブ』だ。攻め役にも結構使えるロボットでな…次々新しい感情が、芽生えていくヤツだ。」
「…なっ、んなのって…」
「別に私は善弥の勘違いに馬鹿とか言ってねーぜ。ただ、私の事を信じてくれてなかった事に言ってんだよ」
「な…にが」
信じてない。
分かってるような気がした。
いや、分かってるんだ。
「私だって、善弥の事、愛してるよ。私は、善弥以外好きじゃない。信じてくれてないのか??」
分かってるんだ。
俺だけ、みたいに思って。
勝手に自分ばかりって甘えて。
勝手に扉を閉めていたのは俺の方なんだ。
被害者ぶって、結局俺はほたるを信じてなかったんだ。
ほんっとに、俺はガキだ。
最初から、俺は扉を閉めてたんだ。
ごめんな、今まで気づかなくて。
いや。
ごめんな、今まで気づこうとしなくて。
ただ、これだけは胸張って言える。
ほたるの事が、好きだって。