腐女子な漫画家に溺愛されチュウ!?
放課後。
いつもの、教室に居た。
ほたるは今日は珍しく何も思いつかないらしい。
いつも、俺に適当にコスプレをさせた後、それを全体的に書いて。
そして、そのキャラクターから思い出す話を何日間かに渡って、書く。
「ぅあ゙〜思いつかない〜」
頭を抱えるほたるに、猫耳メイドの俺はぽつりと呟いた。
「普通の恋愛漫画でもいいンじゃねぇの??」
ハッ、とほたるは顔をあげる。
が。
「私って男×男が頭に染み入りすぎてよ、普通のは一年に一回ぐらいしか…」
どんな思考してンだよ。
そんな嫌みが入ったようなツッコミは、飲み込んでおいた。
「…善弥、キスして。イライラ治りそう」
…ンな都合のいい…。
「無理」
俺は、きっぱりそう断った。
だって。
今日の昼飯、ギョーザだったから。
多分理由がわからなかったんだろう、椅子ががたりと暴れるように大きな音が鳴る。
「なんでだよ!!!」
ツカツカと俺まで迫ってくる。
何か怖かった俺はほたるが一歩踏み出すたびに、一歩退く。
とうとう俺は、壁にまで追いやられてしまった。
あれ…、これって俺がりぼんで見たことあるような。
あれ…、たしか男が追いやってなかったっけ。
普通立場的に逆なんだけどね。
あぁ、そんなに近寄らないでくれ。
ギョーザが…ギョーザが…。
「理由を言え」
ほたるの瞳は、キッと吊り上げられていて。
不覚にも、ほたるにドキドキしてしまう。
だから立場逆だって!!!!!
口臭をふさぐために、せめてもの抵抗で俺は両手を口元にあてがう。
「早く」
ほたるの瞳が一気に冷たくなったと思うと、理解するより先に腕に痛みが走った。
俺の両手はほたるの片手が束ねていて、俺の腹に縫い付けるようにして抑えられていた。
もう一度言うけど、立場、逆。
「ほら」
そういうほたるはなぜか笑顔で。
Sに目覚めたような、妖しい笑みを浮かべていて犬歯がぎろりと顔を覗かせていた。
「〜〜ッ、今日…昼飯、ギョーザ…だったから…ッ!!!」
そう言うと。
ほたるは、目を見張った後。
ものすごいスピードで俺から離れて、机に向かった。
「イイの思いついた!!つか善弥、さっきの表情超萌える!!!もっかい!!!」
「できるか!!」