腐女子な漫画家に溺愛されチュウ!?
「はぁ〜〜〜」
倒れるようにして、ベッドに寝転ぶ。
ほたると居ると楽しくて幸せなんだけど、やっぱ疲れる。
ネジが一本やそこらじゃなくて、何かもう歯車が抜けてるかんじ。
しばらく、天井を見つめる。
茶色いそれは、俺が見つめても睨んでも何しても動かない。
…つまんねぇ。
謎のため息までついて。
すると、だんだんといい匂いが部屋にも漂ってきた。
お腹空いていたんだった、だなんて客観的に思い出す。
食べるために下に行く、という事がおっくうな俺はぐずぐずとベッドに寝転んでいた。
すると。
携帯が、大音量で鳴る。
ディスプレイには、兄貴の、文字が。
兄貴から電話なんて事は珍しく、一瞬固まったがすぐに出た。
『おぅ、オレオレ!!』
兄貴の声の調子は高くて、すでに酔っ払いとなっているのがわかった。
「あのなァ、オレオレってオレオレ詐欺じゃねぇーんだから名前ぐらい言え」
俺が呆れ半分でそう言うと。
「あぁ゙??てめェ、いつから俺様にンな事言えるようになったンだ」
と、ドスのきいた声で返された。
いえいえいえ。
そんな本気で返されましても。
「アッハッハ、冗談だよ、冗談!!」
本当笑い声まで似てきたな、なんて思う。
そのうち兄貴までハゲんじゃねぇの。
ま、そんな事は口が裂けても言えない。
「で、用件は」
『あぁ、そうそう!!あのサ、こんど同窓会あっからよ、中学校の時のアルバム出しといてくれよ!!』
「なんで俺が……ッ」
きられた。
くそ。
なんで、俺が…はぁ。
疲れるなぁ。
俺は、携帯をベッドに放ってまたため息をついた後、のそのそと立ち上がった。
晩飯を食った後に、アルバムを探しといてやろう。
なんだかんだいって俺はよき弟だな、ウム。
あぁ、本格的にお腹がすいてきた。
…近々柿ピーでも買っといてやるか。