腐女子な漫画家に溺愛されチュウ!?




その写真の下に。

小さく、結婚記念日と書かれていた。


にじんだ日付を見てみると。

「…二週間、後…」


何を思ったか分からないが、そう呟いてしまった。

ハッと我にかえる。


ぼんやりと考えていたようだ。

俺はアルバムを閉じて、兄貴に頼まれていたアルバムを引き出す。


そして、そそくさと他のアルバムを直した後、その場を後にした。





兄貴に頼まれていたアルバムは、玄関に置いておく。

今度取りにくるらしい。


時計を見てみると短針が少しだけ左にずれていた。

どうやらアルバムを4時間弱も見ていたようだった。


時計を見ると、遅い時間とやっと認識した頭は急に眠くなった。

一度欠伸をした後、喉がかわいたから冷蔵庫に向かった。


台所は真っ暗で、壁に手をつきながら電気のスイッチを探した。

パッ、と電気がついて、暗闇に慣れた目に少し痛く、目を思わず細めた。

冷蔵庫を見つけて、扉を開くとガチャガチヤとビンどうしがぶつかる音がする。


「…ねぇじゃねぇかよ…」

いつもストックを置いているオロナミンCが無い。


ため息をついて、喉を潤すのは、諦めた。

電気を消してから、階段を上がって自分の部屋に入る。

アルバムを見ていたため長時間ずっと座っていたせいか、お尻が痛い。


ベッドに寝転がってまたぼんやりと考える。

DS版のドラクエの事とか。


何故だか分からないが、考え事の最終地点につくのは、あの写真だった。

家族全員が揃った、あの写真。

笑顔だけが皆を包んでいた。


俺の記憶にはこれっぽっちも無い出来事なのだが。

ベッドに、顔を埋める。


もう、そろそろ親父とおふくろも、意地の張り合いなんかやめたらいいのに。

勢いでの離婚も知っているし、実はお互い好きなのだ。


だから二人はめんどくさい。

これが大人の恋愛なら俺は大人になんてなりたくないと思うほど。


二週間後…か。

何か、してやろうか。


せめてもの親孝行ってか。



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