腐女子な漫画家に溺愛されチュウ!?
だんだん、太陽は低くなり辺りを一面オレンジ色に染め上げていた。
…つーか、目的忘れてるくね??
丘を探しに来たのに。
さすがにほたるとマサルとユリも疲れていて、三人一緒に別の木陰で休んでいた。
子供達も帰っていき、今居るのは俺達ヤンキーとマサルとユリとその両親。
マサルの母親らしき人が、マサル達が休んでいる木陰へよる。
「…そういえばよぉ、丘探すの忘れてるくね??」
俺はアクエリを三本持って、ほたる達の所へ行った。
一本ずつ、ほたるとマサルとユリにあげる。
ほたるはアクエリをがぶ飲みした後、大きく息を吐いてそうだな、なんて言う。
あんなにはしゃぐから疲れんだよ、ばーか。
そんな嫌みは心に止めておく。
「…丘、ですか??」
ユリが、アクエリのふたを締めながら、そう聞いた。
俺の思っている丘とユリの思っている丘があってるかは分からないが一応頷く。
するとマサルは飲み干したアクエリのペットボトルを潰しながら。
「丘なら俺も知ってんぞ!!」
ちょっと遠くにあったごみ箱に、マサルが投げる。
見事にペットボトルは音をたてて入れた。
山口がおーと言いながら手を叩いていた。
「丘ってそんなにあるのか??」
「いいえ…」
マサルはブンブンと激しく首を振るのにたいして、ユリは言葉で否定する。
「なら、ちょっと案内してくれよ」
そう言ったらマサルはまたユリの手を強くひいて立ち上がる。
「いいぜ!!」
「わぁっ…!!」
ユリは急に手を引かれ、驚いていふらつきながらも立ち上がる。
ユリは返事をした後、また走り出した。
「ついてこいよーッ!!」
もうとっくに何メートルも先に行ってしまった二人に、俺はどんだけ元気なんだ…って呟く。
「行くか、」
木陰から出ると、ほたるが。
「うにゃー…私もう走りたくねぇ…」
草の上をゴロゴロと転がりながら唸りながらそう言っていた。
俺が、軽いため息をついて元気づけてやろうか、と思うと。
「へへっ!!ばかほたるぅーッ!!」
遠くで憎たらしくそう叫ぶ、マサル。
ほたるの目がキラン、と光ったと思うと。
「言ったなコノヤロォォォオオオ゙!!!」
と叫びながら、また走り出した。
「ほたるも大概元気じゃねぇかよ」
そう呟きながら、俺もゆっくりと後を追った。