ルピナス
興奮してるいる弓月の中指が
凄まじい音を立て当てたのは、
目の前にいる男の綺麗な額だった。
所謂、デコピンである。
男は弓月の攻撃の勢いで俯いていた顔をゆっくりと上げ、
不服そうに口を曲げる。
「弓月、僕は嬉しいよ。
君がやっと敬語を辞めた事は嬉しいんだけどさ、
デコピンは何なの?
嬉しさが半減してしまったよ。」
滔滔とつまらない話を続ける
皇 真澄(すめらぎ ますみ)を横目に、
弓月は思わず彼の胸倉を掴み小突き回したい衝撃に駆られる。