密の味~一度あなたに触れてみたい~


「順平君?」


不意に声を掛けられ、はっとする。


凛さんが首を巡らせ、俺を見ていた。


「順平君は平気?」


「……平気っす」


「そう」


また。


俺の好きなあの笑顔。


胸が締め付けられる。


ああ、ダメだ。


今まで抑え込んでいたモノが。


もう抑えきれねぇ。


「っ!?」


俺はとうとう――、凛さんに手を出してしまった。


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