【完】運命的な許嫁
…。
え。
「……」
「おい。大丈夫か?」
そう言って風牙くんは
私の両肩を掴みながら
顔を覗きこんでくる。
「…だっ…て…風牙くん
好きな子いるって……」
「は?誰に聞いた?」
「えと…同じクラスの
安田さんが言ってた…」
そう言うと
風牙くんはため息混じりに
こう言った。
「あー。安田?がなんか、
俺と久穏が付き合ってんじゃないか
ってゆってきたから他校に
好きな奴が居るって嘘ついたんだよ」
「……ほんと…う?」
「あぁ。久穏に嘘なんかつくか。」
夢?夢かな?
最近、こんな夢ばっか
見てたからわかんないや。
そう思い、とっさに頬を
つねってみる……
「……痛い……」
「そんなに信じらんねぇか?
だったら、現実だって
分からせてやるよ。」
そう、言って
まるでチョコレートを
食べている様な
そんな甘い甘いキスを
してくれた。