【短】Black Coffee
そんな私に彼は意地悪に笑っていた。
『子どもみたいだな』と。
だからいつも意地悪されていた。
だけど、彼はいつもと違って優しくて…
「白羽専用。…気に入った?」
「…うん」
涙を堪えて飲んだそのコーヒーはとても甘くて、
私の胸をとても温かくさせた。
「…拓、ありがと。凄く嬉しかった」
感謝の意味を込めて、私は彼の頬に口づけを落とした。
すると彼は少し意地悪な表情に戻って―――
「それだけじゃ足りないよ、白羽」
と甘く微笑んだ。