【短】Black Coffee
そう思っていると―――
「…優しくしてあげようか?」
「…え?」
その言葉を聞いた瞬間、耳を疑った。
いつも意地悪な彼からそんな言葉が出るとは思わなくて…
これも冗談かと思ってしまった。
「いま…なんて…?」
「優しくしてあげようか?っていったんだけど。嫌ならいいよ」
「ダメ―――ッ!!」
一度くらいずっと彼に優しくされてみたくて、付き合っているって感じたくて、私は彼のシャツを掴んでいた。
「…一日くらい優しく、して?」
そう言った私のおでこに彼は軽くキスを落とした―――。