【短】Black Coffee
感じる吐息がすぐ傍にあって…
肌に当たってこそばゆくて…
「た、拓…離れて…」
この距離もなんだか恥ずかしくて、離れたくなった。
「ダメ。愛でているんだから」
私は分かっていなかった。
甘く優しい彼はとても危険だっていうことを。
とろけそうに甘くて、クラクラと溺れていきそう―――。
「白羽、したいこと言って。何でも…叶えてあげる」
こんなに間近で見る甘い笑顔がこんなに緊張するなんて…
いつもよりガチガチになって、石のように固まってしまう。
そんな私に彼は全くお構いなしで…
可愛らしく首をかしげてこちらを見ている。