うさぎの学習


おっちゃん……
何で相手が久美子なん?


ウチの大事なビジネスパートナーでもあるし、店の戦力でもあるし、それに……久美子とはやっと通じ合えるもんが出来てきた仲やって言うのに……。


それはないやろ?



「えり……教えてくれてありがとうな」


「うううん……悩んだ末に言うてしもうたけど……告げ口って思わんといてな」



「わかってるよ」


えり21歳……
この子とはキャバで知り合った。


今は従業員やけど、キャバ時代は、ウチが唯一、信用の出来る連れやった。


……ってか、夜の世界で信用出来る子は、この子以外にはおれへんかった。


黒田のおっさんは、ウチと関係が出来てからも、えりにも口説いてた。


でも、えりはキッパリと断り、ウチにこそっと教えてくれたよ……
黒田がどんだけの女好きか、これでようわかると思う。



でも……ターゲットがいつも若い女ばっかりやったから、まさか久美子にだけはって……ウチはほんまに予想外やったよ。




 
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