うさぎの学習
40久美子の事情
●ウチ●
親の連絡先を聞いたら、久美子は黙ってしまった、眉間に皺を作り、ウチから視線を外して……
何かの事情を抱えている、とは思っていたけど……
「ママ、ごめん……
病院代とかは自分できちんと払うから、親には連絡しないでほしいの」
「そうなんや……」
とウチは頷いたけど、久美子には、いったいどんな事情があるんやろ?……と思っていた時、久美子はゆっくりと話し出した。
「私……
結婚して1年で離婚したんです、
東京にいる家族や友達にも、まだ誰にも恥ずかしいから言ってなくて……」
「な~んや、そんな事やったん?」
「そんな事って……」
「ウチは、もっと凄い事情でも持ってんのかなって思ってたわ、
例えば……犯罪でも犯して逃げて来たんかな?とか」
たかが離婚ぐらいで……って、ウチが軽く交わすと、久美子はまた泣き出した。
大きな涙をポロポロと溢す久美子。
「なぁ久美子……
離婚した事、いつまでも一生隠せる訳ないやんか……
どうせいつか言うのやったら、早く言った方がすっきりするで」
「……そんなカッコ悪い事、私言えません」