うさぎの学習
3人は、こっちに向かって歩いて来た。
店に向かって3人で!?
後の2人って?
ウチの予想からして、直樹のお父さんとお母さん?
ウチは生唾をゴクリと飲み込んだ。
やっぱり直樹……
親にちゃんと言うてくれたんやね、
ウチをお嫁さんにしてくれるつもりや。
3人の思いがけない突然の訪問に、
あまり物事に動じる事のないばあちゃんが、珍しく慌てていた。
お父さんって思う人物が、一枚の名刺をばあちゃんに差し出した。
「初めまして、ワタクシ、和田直樹の父親で、和田光男と申します」
「……はぁ……」
ばあちゃんは、こういう場面に全く慣れていない人やったから、ほんまに戸惑っていた。