うさぎの学習


家の中に上がってもうたけど……
ウチは死ぬほどに恥ずかしかった。


直樹の家とは、あまりにも差があり過ぎる。


低い茶箪笥や、古びた正方形のテレビ、丸い昔風の木のテーブル……全てがひと昔前の物。


こっちは2人で、お客さんは3人……
小さなテーブルを囲んで座った。


?こっちも3人かな?
お腹の赤ちゃんを含めたら……


マイベイビー、パパが迎えに来てくれたよ……って、ウチはドキドキしながら、直樹をチラッと見た。


   えっ?直樹?

何で、下を向いてるん!?


こっち見てよ……
ウチなぁ、昨日の夜からどんだけ不安やったと思ってるん?

直樹……直樹、直樹~


  直樹ってば……


沈黙の中……
一番先に、その静けさを破ったのは、直樹のお母さんらしき人物やった。


「大変申し訳ない事を致しました……
謝って済まされるような問題でない事は、重々わかっております」


えっ何で?何で、お母さんが謝るん?


謝る事ないやん?


何に対して謝ってるん?

謝るのは、ウチの方やで、5ヶ月まで黙っていた………。




 
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