うさぎの学習
教授は起き上がり、そのシルバーグレーのカツラを鷲掴みにすると、上着のポケットにねじ込んだ、それからウチらに背中を向けて歩いて行った、スタスタスタスタと、無言で……。
ウチは久美子と顔を見合わせた。
笑うに笑えない。
今のは何や?
久美子は赤くなった目に涙を浮かべていた。
久美子の気持ちはわかる、ウチのこと思い、してくれた事やろ?
でも……何て事をしてくれたんや?
それ以降、二度と教授が姿を見せる事はなかった。
そらぁ、あれだけの恥をかきゃ、ウチらの前に顔は見せられへんやろう……
でもな久美子って……
力が強いのも良し悪しやなぁ~
あの客は、そうそうそこら辺にはいてないAクラスやで、消えてしもうたやないの、もう~
でも久美子は久美子なりに、ウチを助けるつもりやったんやろ?
ウチは、この件に関して、久美子のこと怒るに怒れんかった。