うさぎの学習
その日の店内は客がちらほらと、案外暇な日だった。
黒田は若い男の子と2人で入って来て、今宵はカウンター席に腰を下ろした。
私の心臓はバクバクと、大きく激しく早く波打った。
黒田の前に立ちたかったのに……
ママは、他の客の前に私を立たせ、黒田の前にはママが立った。
私は、黒田の方が気になって気になって仕方なかった、前の客が話しかけてきても上の空。
黒田とママの会話が聞きたくて、私の耳はダンボ状態。
ママと黒田は、かなり親しそう?
ずいぶん前からのお客なのかな?
ママが……黒田のことを、おっちゃんって呼んでる?
もしかして親戚?
それとも……どんな関係?
まさか? まさか? だよね……だってあまりにも歳が離れ過ぎてるし、どぉ見たって親子ぐらいの歳の差……
彼氏彼女の関係なんてあり得ないよね。