うさぎの学習
イメチェンした姿で、私は出勤した。
鍵を開け、まだ人気もいない店の開店準備を始める。
私のこのヘアスタイルにメイク……
ママとえりさんはまだ知らない。
どんな顔するのかがマジで楽しみ♪
私の足元はたぶん宙に浮いていた。
日曜日のことを考えると、胸のきゅう~と締め付けられる思いがした。
嬉し恥ずかし苦し……
早く日曜日が来てほしいような、また、まだ来てほしくないような、そんな気分。
私の心は、今、恋心に支配されている。
そこへ、えりさんが出勤して来て、続いてママも来た。
あまりに変わった私の姿に?
2人は、私の頭の上からつま先までじっと見詰めて、言葉を無くしてしまった。
ママが、パチリとした大きな瞳を更に見開いて言った。
「久美子~どないしたんや?」
「変身しました、私」
と、私は、ママの特技である特上スマイルを真似てみた。
「綺麗になったやん、スゴいやん!」
ママはニッコリと満面の笑顔を見せ、喜んでくれた。
満月先生の言う通りだったわ、恋は女のレベルを上げるって……
でも、まだまだこれからよ、もっともっと私、綺麗になってみせる。