Sentimental My Girl
沙紀は下を向いて小さな声で続ける。「すごく好きになっちゃったの。どうしても、どんな形でも付き合いたかった…」


「…沙紀、でも…」言いかけてつかさは迷った。
恋愛経験の無い自分が言える立場なのかと。




こちらとの空気を隔てているように、他の生徒達が楽しく談笑しながら通り過ぎていく。




しばらくの沈黙の後に「沙紀ちゃん、ちょっといい？」と声がした。

見るとマユ先輩の友人の女の先輩３人が立っていた。





─────沙紀が先輩達に呼ばれてから２時間が経った。沙紀が心配でつかさは、終わったら連絡してと沙紀にメールをした。



図書館で本を読みながら時間を潰すも、沙紀のことを考えて内容が頭に入って来なかった。


売店で飲み物でも買おうと席を立った瞬間、ケータイが光った。



〔２号館のベンチのとこで待ってるね〕


いつもはたくさんの絵文字や派手なデコメで飾られている沙紀の文章が珍しく簡素だ。


つかさは無意識に走って２号館へ向かった。



走って来たつかさがベンチの方をを見ると、いつもきれいなふわふわの髪の毛がぐしゃりと乱れて、涙を流して途方に暮れたような顔の沙紀が座っていた。
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表紙・目次

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