Sentimental My Girl
その姿につかさは驚いて駆け寄った。「沙紀!!」


つかさの顔を見ると沙紀はせきを切った様に泣き出した。



午後の授業が始まったのか、帰宅したのか、他の生徒達の姿はぽつりぽつりとしか見当たらない。
今日はよく晴れている。


しばらくして落ち着くと、沙紀が何があったのかを話し始めた。



「マっ…マユ先輩に付き合ってることバレちゃって、呼び出されたの。マユ先輩はすごい怒ってて、髪引っ張られて…
もう二度と会わないで連絡もとるなって…
ケータイの履歴見られて、メモリ消されちゃった」


つかさはたしかに沙紀が悪いのに、可哀想だ、マユ先輩はやりすぎだと思ってしまった。



沙紀は「やっぱ沙紀バカだよね、違う人好きになったらよかったね…
もう、別れるから」と呟いた。

「…うん」



「沙紀、つかさにはなんとなく言えなくてさ。つかさには知られたくなかったってゆうか…」



「なんでも言いなよ、どんな沙紀でも沙紀じゃん。」


「つかさ、ありがと」

沙紀が言うと同時につかさは沙紀を抱き締めた。


沙紀は驚いたが嬉しくて涙を流した。









つかさは何故か胸が苦しかった。
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