週末シンデレラ


「じゃあ、今日はゆっくり休んで」

体調が悪いなんて言うんじゃなかった。

せっかく、夜ご飯も食べられるはずだったのに、早い時間に家へ送り返されてしまった。

「今日は、本当にありがとうございました。おやすみなさい」

帰りたくないと思いながらも、お礼を言って車のドアに手をかける。すると。

「あのっ、カオリさん」
「はい?」

係長に切羽詰まったような声で呼び止められる。振り返ると、彼はなにか言いたげな表情でこちらを見ていた。

「俺と付き合ってくれないか?」
「えっ……」

突然の言葉にドキリと胸が跳ねる。

付き合う? わたしと係長が?

遊びに誘ってくれていたので、好意を持ってくれているのはわかっていたけど、交際を申し込まれるとは思っていなかった。

わたしがうろたえていると、係長が言葉を足した。


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