週末シンデレラ
島へ着くと、ちょうどお昼前だった。大人数でぞろぞろと、人が少ない浜辺へ向かい、バーベキューを楽しんだ。
バーベキューはすべて営業部の人が準備をしてくれた。
炭火のセットを組み立てたり、パラソルを立ててくれたり、食材の準備をしてくれたり……わたしたちは見ているだけでよかった。
そのあとは各自、釣りをしたり、ビーチバレーをしたり、島の散策にでかけたり……と、自由行動となった。
「営業部の人、手際よかったね」
「ホント、助かったよねぇ」
わたしと美穂は少し島を歩いたあと、バーベキューをした浜辺に戻り、ビーチバレーで遊んでいる人たちをぼうっと見ていた。
「みんな、慣れた手つきだったけど、アウトドアが好きなのかな?」
「はい。営業一課はアウトドア好きが多いんです」
「えっ?」
美穂に問いかけたはずなのに、返ってきたのは男性の声だった。
キョトンとする美穂とともに後ろを振り返ると、にっこりと微笑む上川くんがいた。