週末シンデレラ
「……明日、休みだけど」
熱っぽい瞳がわたしを見つめてくる。
「は……はい……」
コクリと喉を鳴らしてうなずくと、係長の手にジワリと力がこもった。
「もう少し……一緒にいたい」
低い声で囁くように言われ、トクンと胸が跳ねる。
「わ、わたしも……一緒にいたいです」
ゆっくりうなずくと、係長の胸に引き寄せられた。
「よかった……本当は、ずっとこうしたくて、たまらなかったんだ」
頭を優しく掻き抱かれ、係長の胸に顔をうずめる。頼りがいのある胸板は温かくて、身体の奥がジンと熱くなった。
わたしも、係長に触れたかった……。
その想いを込めて腕を彼の背中に回すと、より強く抱き締められた。
「ダメだな……頑張ってなんでもないフリをしていたけど……もう、限界だ」
「かかり……んっ……」
係長を見ようとすると、唇を奪われた。触れただけのそれは、啄むようなキスを繰り返し、やがて深いものへと変わる。
「は……んっ……」
唇を甘噛みされ、濡れた舌が口腔へと侵入してくる。貪るようにうごめいて、舌先で歯列をなぞり、口蓋を擦り上げられた。
「んん……っ」
「……詩織……」
名前を呼ばれ舌をキツク吸い上げられる。背すじに甘い痺れが走り、全身が震えた。
「んっ……せ、征一郎さん……」
鼻先をこすりつけながら角度を変え、お互いの舌を絡めて甘ったるいキスをする。夢中で征一郎さんの舌に応えていると、苦しいほど息があがっていた。