週末シンデレラ
一時間くらいぼうっとしたあと、お風呂へ入り、寝る準備を整える。
電気を消してベッドへ入ると、枕元に置いたスマホがメールを受信して光りだした。
係長かな……でも、断って感じ悪く思われているだろうし、さすがに違うよね。
期待したあとに落ち込むのが嫌で、高揚する自分自身を抑えながら、メールを開く……と。
「……つ、都筑係長だ……! ホントに!?」
信じられなくて、電気をつけて確認しても、係長からのメールで間違いなかった。
『度々のメールですまない。どうしてもきみに会いたいんだ。土曜日はどうだろうか? 昼間だけでも、夜だけでも構わない』
「どうしても会いたい、って……」
昼でも夜でも構わない。そう言ってくれる係長の譲歩と、ためらいもなく「会いたい」と言われ、泣いてしまいそうなほど嬉しくなる。
わたしだって、会いたい……。
その言葉を飲み込んで、断りのメールを作成する。しかし、送信することができず、気がついたら削除のボタンを押していた。
い、一回くらいならご飯に行ってもいいよね……。バレなきゃ問題ないし、それにミュールを買ってもらったお礼だってしてないし。
「うん、そうだ! お礼をしなくちゃ」
係長に会うための理由を見つけ、メールを作成し直す。