週末シンデレラ


「あ、いえ……都筑さんって、オシャレだなぁと思って」
「そうかな? でも、まぁ……そうかもしれない。全部、店の人に選んでもらっているから」
「お店の人に? 自分では選ばないんですか?」
「ああ。流行はよくわからないし、自分に似合うものが着られたらそれでいいから。プロに聞くのが一番だと思って、そうしている」

苦手なことは苦手だと認め、効率的に物事を行う。

……都筑係長らしい、かも。

わたしが黙ったまま納得していると、それが否定的な態度に見えたのか、係長は不安そうに眉根を寄せた。

「ダメかな、流行にうとい男は」
「あ……そういうわけじゃありません。ただ、プロに任せるっていうのが、都筑さんらしいなって」
「俺らしい? そう言われたら、そうかもしれないな。……しかし、カオリさんは俺のことがよくわかるんだな」

そりゃあ、もう……会社では二年目のお付き合いになりますから。

「なんとなく、ですけどね」

わたしが小さくうなずくと、係長は「どうしてだろう」と、不思議そうな顔をした。


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