週末シンデレラ
今日の昼休みは、お弁当を持ってきていなかったし、美穂が電話当番のため、ひとりで外へ出ることにした。
一時間の休憩時間では、ランチへ行ける範囲も限られてくる。
会社の近くにある、イートインもできるベーカリーショップへ入り、惣菜パンとアイスコーヒーを頼んだ。
入り口の近くに空いている席を見つけ、腰をおろす。
バッグからスマートフォンを取り出すと、メールが届いていた。
『お疲れさま。普段、カオリさんはお昼ご飯をどうしているんだ?』
メールは係長からだった。
お昼ご飯って……もしかしてランチまで一緒に、とか考えてるの? いくらなんでもそれはないよね。
食事の最中に、仕事の話になったことがあった。
わたしは中小企業で派遣社員として働いていることにし、場所は会社から三つほど離れた駅の近くだと話した。
だから、一緒にランチを楽しむ時間がないことくらい、係長もわかっているはずだ。