笑顔のキミ
真面目そうな山田君の口から、寝るという単語を聞いたのは意外だった。

しかも、素振りと顔が全くあっていなかった。



素振りは紳士的でかっこいいと思ったが、容姿は地味だ。

そのギャップに私は笑いと驚きを堪えながら、差し出された教科書を受け取った。



「ありがとう。丸々借りちゃってごめんね」


そういうと山田君は


「だから大丈夫だってば、おれ教科書あるけど使ってないから」


「山田君、クソ真面目なイメージあったけど全然違うね」



「……うん。そうだね」


うんの間が気になったけど私は、山田君の顔を見たら気にならなかった。



なぜなら、山田君が笑っていたからだ。



彼の笑顔はとても印象的だった。




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