笑顔のキミ
そんなことをしていたら、退屈な授業が始まった。



山田君をみたら本当に寝ていた。

思わず笑いそうになった。



今のこの短時間で、私の山田君への印象がすごく変わった。



それから私は一つ気が付いたことがある。

山田君は私と話をしている間、表情を変えなかった。

笑顔が顔に張り付いた感じだ。



だから私は山田君がどんな人で、何を考えているかわからなかった。



そして授業が終わった。

山田君に教科書を返そうとしたが、山田君の姿はどこにもなかった。



私は借りた教科書を山田君の机の上において、机に『ありがとう』と書いた。


そしてまたいつものように、窓の外に視線を移した。



私には特定の友達がいない。

私は友達を作るのが苦手だからね。


それに、ほかの女子は私の事嫌いみたいだしね。



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