KIGEKI

「はい、とってまいりました。ワン!!」

そういいながら、花園に鍵を渡す。花園は、よくやったと言いながら宮澤の頭をわしゃわしゃと撫でた。

「・・・で、何に使うの？」

「ついてこれば？」

花園は宮澤の問いに答えず、更衣室に向かって歩き出した。



ガチャガチャと施錠を外し、更衣室の中に入る。

「携帯。」

「えっ？」

「ドモモの黒のスマートフォンを探せ。」

それだけ言うと、花園はロッカーを開けたり、ロッカーの下をのぞいたりし始めた。

「なんで女子の更衣室？友達の携帯？」

質問をする彼女のほうをちらっと見た後、めんどくさそうな顔をしてから、話し始めた。