―彼氏と彼女―




 卒業式が終わると、俺はみんなから話しかけられるのを全て無視し、校門に先回りして彼女を待っていた。


 すると、そう待たずに彼女の姿が見えた。

 俺は近付いてくる彼女を見つめる。



 俺の姿に気づいた彼女は目を丸くした。


 ……ほら。やっぱり先に一人で帰ろうとしてた。









 帰り道、何故か口数が少ない彼女。



 彼女の中では、もしかしたら卒業までの付き合いのつもりだったのかもしれない。



 彼女が行くのは県で一番の進学校。

 男女の付き合いで成績が落ちたら大変だ。
 彼女がそこに気付かない訳ないんだ。



 それなら、俺は―――…


< 171 / 209 >

この作品をシェア

pagetop