―彼氏と彼女―
卒業式が終わると、俺はみんなから話しかけられるのを全て無視し、校門に先回りして彼女を待っていた。
すると、そう待たずに彼女の姿が見えた。
俺は近付いてくる彼女を見つめる。
俺の姿に気づいた彼女は目を丸くした。
……ほら。やっぱり先に一人で帰ろうとしてた。
帰り道、何故か口数が少ない彼女。
彼女の中では、もしかしたら卒業までの付き合いのつもりだったのかもしれない。
彼女が行くのは県で一番の進学校。
男女の付き合いで成績が落ちたら大変だ。
彼女がそこに気付かない訳ないんだ。
それなら、俺は―――…
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