―彼氏と彼女―




 何度も角度を変え、貪るように彼女を追い詰めると、立っていられないのか沙智の膝がガクンと沈んだ。


 ―――瞬間。


 腰に腕を回し後頭部に手を当て彼女を見下ろす。



「はぁ…はぁ…」


 彼女は唇を濡らし、大きく肩で息を吸い、体を震わせていた。



 頬は赤く染まって、瞳は涙で濡れている。



 ―――いっそのこと俺を気絶させてくれ。


 じゃないと、俺は自分で自分を止められる自信がない。









 どれ位そうしていただろう。



 気が付くと、後ろから話し声が聞こえた。


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