―彼氏と彼女―
「君の彼氏も格好いいね」
微笑み付きで女の子に言うと、隣の少年はあからさまにムッとして、
「とりあえず、早くそこを退いて」
―――少年の瞳は、男の目。
年齢なんて関係なく、自分の女に手を出そうとする男に向ける、威嚇の目。
「悪かったな。待たせた」
そう言った俺に、彼は「別に」そう言って俺を追い越し奥に進んで行った。
「行くよ」
その姿を横目に、彼女の手を優しく引いてそのまま休憩室へと足を向けた。
さっきまで座り込んでいた女の子はすでに立ち上がり、立ち去る俺達に軽く会釈すると、彼氏の元へ向かっていった。
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