―彼氏と彼女―




「葵さんはあーゆう人が好きなんだ」

「えっ?!
 ち、違うよっ 私は…っ」


「……私は?」


「わ、私、は……」




 そんな二人の会話が小さく聞こえてきた。



 ……あの男の子はかなりスレたヤツだ。

 相手の女の子の方が中身は子供かもしれない。



「彼女は苦労するな」


 二人の会話を聞いて笑ってしまった。
 そんな俺を沙智は不思議そうな顔で見る。



「のど乾いたよな。

 腹も減った」


 俺がおどけて言うと、沙智は大きく頷き笑った。


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