―彼氏と彼女―
付き合い始めてからの一年から比べたら、俺たちの距離はかなり近づいた。
良いことだと思う。
俺だって年頃の男だし、それなりに色々な事に興味あるし……。
ただ、沙智の歩幅に合わせて進めていきたいから、さっきみたいな暴走は気をつけなきゃいけない。
図書館の北側にある小さなカフェには、軽い軽食も食べれるようになっていた。
俺たちはいつものように、大きな窓際の席に座る。
「た、鷹臣君はアイスコーヒー好きだよね?」
アイスコーヒーを俺に渡しながら、まだ名前をすんなり言えない彼女の緊張気味な声に、苦笑いで頷く。
「あっ ホットサンド忘れたっ!
待ってて?」
彼女が慌ててカウンターに向かう姿があまりに可愛くて、小さく笑ってしまった。
俺は席に座り窓からの景色を見ていると、カウンターから小さく沙智の慌てる小さな声が聞こえる。
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