♡幼なじみの恋愛事情♡
「ありが―――……」
「紺野ひよりさん、いますか?」
瑠衣にお礼を言おうとすると、教室の入り口からそう聞こえた。
ちょっと遠慮がちに私の名前を呼ぶ、男の子の声。
「ひよりー?呼ばれてるけど」
少しだけニヤニヤしながら瑠衣はそう言った。
「あ、うんごめん。ちょっと行ってくるね」
「どうぞごゆっくり~」
そう言って手をヒラヒラさせる瑠衣に疑問を抱きつつ、私は教室の入り口までのろのろと歩いていく。
そこに立っていた、さっき私を呼んだ男の子は少しだけ笑った。