きみと…(恋愛短編集)
男達が振り返ると彼はゆうるりと笑ってこう囁いた。
「ねぇ…あなた達の後ろにさぁ…」

彼が何を言ったのかあたし達には分からない…
けど男達の方は蒼白とした顔色で、走って逃げていった。

「桜井さん…大丈夫?」

「うん…大丈夫だよ」

さっきと違った笑みを見せて此方に向かってきた彼




襟橋まで伸びた黒髪に大きな焦げ茶の瞳が印象的な
椎名優海。

これが彼との出会いだった。
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