金色のシッポ
「好きだ。」
俺の口から出たのはそんな言葉だった。
一言では表せないくらい、俺は美狐を愛してしまった。
美狐を抱きしめると、美狐は
「有難う…ゆーた…わらわも…愛しておるぞ…」
彼女は震えながらも、そう言った。
愛している。
少し意地っぱりなところも、金色の髪も、目も尻尾も。
全部。
500年も閉じ込められ、孤独だった彼女を抱きしめてやりたい。
愛してあげたい。
一生傍にいてやりたい。
そう思った。
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