ずっと、傍に。【Side He】 完
彼女と付き合って半年。最初は、僕の方が彼女に夢中だった。
優しく、美しく、面白い彼女は僕の自慢だった。
それが崩れたのは、三ヶ月前。
『由紀、くん。浮気、してない…?』
たった一回の間違い。
『ごめん』
『もう、しないでね…?』
もう二度と、浮気なんてしないと誓った。こんな可愛い彼女を手放したくないと思っていた。
けれど。
『…なあ、僕の携帯いじった?』
いつの間にか消えていた
彼女以外の女の子のアドレス。
『え…だって必要ないでしょ?』
きょとんと、さも当然と言わんばかりに彼女は首を傾げた。
その表情の無邪気さに寒気が走る。
狂っている、と思った。