シガレットとキス
「え?」

 予想してもいなかった言葉。
 意味も不明だ。

「……からかってるなら戻ります」

 ちょっと腹が立って、私はその場を去ろうとした。
 すると……彼はぐいっと私の腕を掴んだ。

「なっ……!」

 振り返ると同時に唇が奪われ……体中に強烈な刺激が走る。

 誰でもいいわけじゃなかったけど、心のどこかでこの人とならいいかなって思っていたようだ。

 証拠に体が嫌がっていない。

「煙草臭くてごめん」

 一度唇を離して、再度深く口を塞いでくる。
 もうその甘い刺激と誘惑に自分を止める事ができなくなった。

「全部俺のせいにすればいいさ……」

 その悪魔みたいな囁きに、私の思考は完全にストップする。
 自然に彼の肩に腕を回し、夢中でキスをしている自分がいた――――。

 END
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