ずっと、傍に。【Side She】 完
「だって私、ずっと由紀くんと一緒にいたいの」
そう言いながら微笑み、彼の手に触れようとすっと手を伸ばす。
彼はあからさまに私の手を避けた。
…そんなに、私を嫌いになったの?
「僕はまだ収入も安定していないから」
「いいの、由紀くんが一緒なら一文無しの生活でも大丈夫なの」
「…僕が嫌なの」
「…………由紀くん、私と結婚は嫌?」
嫌、なのでしょう。だって私のこと、もう嫌いでしょう?
喉の奥が痛い。
…由紀くん。
「嫌じゃないよ」