ずっと、傍に。【Side She】 完
たまに自分が怖いと思うときがある。
ここまで由紀くんを束縛するなんて、おかしいんじゃないかとふと思うときがある。
でも仕方ないじゃない。
好きなの。
大好きなの。
あのときみたいに、由紀くんの気持ちが離れていくのは、もう嫌なの。
“無関心”になられるくらいなら、疎ましいと思われた方がいい。
恨まれた方がよっぽど嬉しい。
由紀くん、もう二度と離れないでねって願うだけ。
「私は今すぐにでも結婚したいな」
「…そう」
彼は決して私を見ようとはしない。いつもどこか違うところを見ている。
由紀くん、嫌だよ。怖い。
助けて、由紀くん。
自分が怖い。由紀くんがいなくなったら、私は発狂してしまう。
助けて、由紀くん。
由紀くんが怖い。日に日に、君の瞳から色が消えているの。
ねえ、私たち出会わない方がよかったのかな。
でも由紀くん、告白してきたのは君の方だよね?
ねえ、由紀くん。何でもあげるから。
…嘘でもいいから、もう一度「愛している」と言ってほしい。
「由紀くん、愛してる」
「そう」
もう、僕の方が好きだよと、悪戯な笑顔で言ってくれることはないでしょう。
君は永遠に私をもう愛してなんてくれない。
由紀くん、由紀くん、由紀くん。
「由紀くんは、ずっと私の傍にいるよね?」
「…勿論」
離れるなんて、許さない。