「いい加減さ、名前呼んでよ」


   覆いかぶさるように跨れば


   少し妖美な顔に見える


   「…忘れちゃいました」


   「ばか」


   「嘘」


   「ふーん…」


   嘲るような目で見つめてくるから


   少し癪だった


   「…コト」


   そう呼んでは


   彼の首筋に腕を絡めてキスしてやった




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