「トランプね…」


   ぼそっと呟いては


   私をギュッと抱き寄せて


   肩に顎を乗せる


   「あるっちゃあるけど、新しいの無いよ」


   少し離れて眉を下げて笑う

  
   そんな仕草を見つめていると

   
   返事も聞かずにポケットから赤い箱を取り出す


   「見せたことあったかな…」


   とか言いながらトランプを切る姿から


   1番楽しんでるのは彼だって伝わってくる


   彼から離れてスペースを開ければ


   スっとトランプを広げる


   「2つ選んで?今から相性診断するから」


   広角を上げて


   早くしろ


   と言わんばかりにトランプを指差す



   
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