32回、好きって言うよ。
「ねえ、早見くんと付き合ってるの?」
目の前に並ぶ3年生女子の先輩5人。
多分、翼先輩のことが好きなんだと思う。
「付き合ってないよね?」
その質問と迫力ある目力に、これに逆らえる人はいないだろうなと思う。
付き合ってないと言わせる気満々というか。
まあ付き合ってないんだけど。
「付き合って、ないです」
どうしてこんな状況になっているのかというと。
美紅が河合先輩と一緒に帰るというので、幸せでヘラヘラしてたあたしがいけないんだ。
ふわふわした気分で校門を出ようとしたところ。
怖いお姉さん達に呼び止められて、あ~れ~って裏庭につれて来られた感じだ。