32回、好きって言うよ。
「あたしも電話しようと思ってたんです!」
『そうなの?』
「あの、こういうのって声聞きたいってだけで電話したら……、迷惑ですか?」
すると、翼先輩はふ、と笑った。
『迷惑なわけないじゃん。
彼女なんだから』
きゃーっ!
このキュンキュンをどこにぶつけていいかわからなくて、ベッドの上で足をバタバタさせた。
翼先輩って、こんなに声低かったっけ?
普通に喋っているときは気付かなかった。
低くて、優しくて、ホッとするのにドキドキする。
すごく、甘い声。
こんな声を、今、あたしだけが聞いている。
奇跡みたいで、キュンキュンするんだ。