32回、好きって言うよ。
「ちょっと茉桜、大丈夫?」
「うん、大丈夫!」
はは、と笑ったものの、体がだるい。
ガンガンする頭を抑えながら椅子を立ち、ジャージに着替えた。
美紅に心配してもらいながらも校庭に出て、ドッヂボールが始まった。
あぁもう、走ったりできないから早く当たって外野に行こう。
……とは思っても、強いボールには当たりたくないよね?わかるよね?痛いもん。
だから一応逃げながらも、サッカーをやっている翼先輩を盗み見る。
もう、本当カッコいい。
なんて思っていると、飛んできたドッヂボール。
このままだと顔面に当たるので、慌ててサッとしゃがんだ。
だけど、急に動かした体はフラフラして…。
すぐに立ち上がることができない。
早く立たなくちゃ。
そう思っていると、聞こえた声。
「危ない!」
……翼先輩の声…?