32回、好きって言うよ。
「先生いないから呼んでくる。
ちょっと寝てて」
そう言ってドアの方に行こうとした翼先輩の袖を掴む。
行ってほしくないよ…。
困った顔の翼先輩。
お願い、あたしのものにならないのはわかってるから。
少しだけ、我が儘言ってみたかった。
「つばさ…先輩…」
「うん」
「ここにいる?」
「うん。いるから」
「……すき…」
「わかったから、寝て」
安心して、眠くなった。
ふわふわ、ふわふわ。
幸せな夢を、見た気がする。