32回、好きって言うよ。
額に当たった冷たいものに、目を向けるとスポーツドリンクを持った翼先輩。
「あ、ありがとうございます…」
ペットボトルを受け取って、また布団に潜る。
「あ、じゃああたしはこれで!
河合先輩、行きましょう」
「如月ちゃん、お大事に!」
えぇっ……!?
2人とも行っちゃうの!?
こんな姿のあたしと翼先輩を2人きりにしないで……。
願いは届かず、残されたあたしと翼先輩。
布団から出られない。
「…せっかく見舞いに来たのに、出てきてくれないんだ?」
「だ、だって……」
「じゃあもう帰ろうかな」
意地悪、意地悪、意地悪。
「や、やだ……」
半泣きのまま布団から顔を出す。
ははっ、と笑ってる翼先輩。