再会の君に手を伸ばす
「再会の君に手を伸ばす」
ある日、ポストを開けると中学時代の部活の同窓会のハガキが届いていた。
あの頃住んでいた埼玉から引っ越してしまった私の住所を知っていた同じ部だった同級生が、わざわざハガキで知らせてくれたのだろう。
引っ越しの連絡をしてから10年。
あの頃は携帯なんて持っていなかったし、教えてくれた事に嬉しい気持ちでいっぱいになる。
ハガキには連絡先のアドレスが書いてあった。
早速返事を送ろうとして、ふと手が止まる。
今私が住んでいる神奈川県から集まる埼玉県は、大人になった私にとっては遠くは無い。
そんな距離の事じゃなくて、二人の男の子の事が浮かんだからだ。