彼と彼女の場合
「確かに愛ちゃんかわいいよな」

…結城、同感だ。

「純粋な感じで愛嬌があっていっつもニコニコしてて」


そうそう。

「あんな姉貴いたらそりゃあ弟くんたちもシスコンになるわけだ」

うんうん。


……って、あれ?

「えっ…弟いるのか?」


初めて聞く情報にがばっと顔を上げる。


結城のにやけた顔が目の前にあった。

くそっ!

ムカつくけど今はそれより…


「彼女、弟いるの?」

早く答えを聞きたくてもう一度問い掛ける。


「ああ、よく迎えに来たりしてるし、愛ちゃんもケーキ持って帰ったりしてる」

…そうだったんだ。


というか、

「お前のほうが彼女のこと知ってるのがムカつく…」

思わず言ってしまったら今度は佐久間にまで笑われた…。

こいつら…

絶対いつか仕返ししてやる!
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